大樹Shake Tree—このアルカトラズ島の東の地にそびえる巨木は、島の守護神であり、地下に伸びるその力強い根は、かつてこの島に悪夢をもたらした獣神RIBONESを封じる檻でもあった。

　しかし、『死者の日』と呼ばれる10月31日、獣神RIBONESの再生の魔力は覚醒し、その封印は解かれ、悪夢の夜が再び訪れようとしていた。

　島の番人であるアルカトラズ監獄囚人の亡霊たちは、地上の人々と共に獣神RIBONESを封じるため立ち上がる。そして封印の儀—ある獣の血肉を喰らい尽くし、その全ての骨を捧げることで完成する秘術に臨む。

　過去に罪を犯した者たちと、日常を誠実に生きる人々が手を取り合い、共に闇に立ち向かう姿がそこにはあった。

　果たして彼らは獣神RIBONESを封じ、アルカトラズ島に平穏を取り戻すことができるのだろうか…

　アルカトラズ島—古より大樹Shake Treeと、命の輪廻を司る霊獣に守られた小さな楽園。大陸の先住民たちが呪いの島と恐れ忌避してきたこの島に、いつしか住み着き、砦を築く者たちが現れた。

　彼らは島を蹂躙し、砦を拠点に戦をし、やがて罪を犯した者たちが集められるようになる。それはこの島に大量の穢れをもたらすことになった。

　だが、遥かな時代よりこの島を守り、島の生命の循環を導いてきた大樹と霊獣は、とめどなくあふれる穢れを祓うすべを持たなかった。

　人間に奪われたこの島の命や、戦で不条理に失われた多くの命の行き場のない悲しみが、罪人たちの犯した罪にまつわる深い怨みや憎しみが、闇色の霧のように島に満ちていった。

　ゆっくりと穢れに蝕まれ、闇に染まりゆく霊獣。そのかたわらに佇むことしかできぬ大樹。

　やがて深い闇の底に飲みこまれた霊獣は獣神RIBONESとして覚醒する—それは悪夢の夜の始まりだった。

　悪夢の夜 – 穢れに染まった獣神RIBONESが闇の力に目覚めた夜 – アルカトラズ島は嵐の中にあった。

　荒れ狂った大波が岸壁に打ち寄せ、激しい風雨は絶え間なく、とどろく雷鳴に獣神RIBONESの咆哮が重なった。それはあの世の死者たちを呼び覚ます悲痛な叫びだった。島の輪廻は歪められ、甦ったたくさんの亡者たちは嵐の中を彷徨う。

　アルカトラズ島の人々は、大陸の先住民の長に古から伝わる儀式を授かった。獣神RIBONESの穢れを祓い、闇に染まったその魂に光を取り戻し、亡者たちに安寧を取り戻すための鎮めの儀。

　『人の正しき行い、善き心を捧げよ。そして生命を正しくつないでいくこと。獣の命は敬意をもって喰らい、生きる糧(かて)とし、その歓びと幸福を共に謳う。正しき生命の循環を輪廻の守護者たる獣神RIBONESに示せ。

　しかし人の業は深い。どんなに祓っても穢れは再び積もる。星が一巡りし、”死者の日“が訪れるたびに鎮めの儀を執り行うべし』

　さあ、喰らえ命を。謳え生きる歓びを。共に笑い、踊り、大いに楽しめ、大樹 Shake Tree のもとに集いし者たちよ –